【簡易要約】
IPO前後の市場カップリング(断絶解消)
- 1)投資家層の断絶
- バリュエーション手法の断絶
- 赤字の許容度の断絶
- 典型的に未上場市場はVC/CVC/事業会社が主体
- 上場市場では、Small IPOなら個人、規模感があれば機関投資家が主体
- IPO時には投資家基盤の入れ替えが一気に必要となる(投資家層の断絶)
- 加えて、未上場段階では「赤字急成長」評価だったが、上場後は「PER水準」評価へ切り替わる(バリュエーション手法の断絶)
- 結果に、「黒字企業=上場企業」の歪んだ構図を生んだ(赤字の許容度の断絶)
- 「資本のグローバル化」による断絶解消=外国からの資金調達の活性化
株式市場調整による問題
- 海外機関投資家にとって、未上場スタートアップへの投資は、50%下落した優良なポストIPOスタートアップに対して割高
- 結果的に、魅力の下がった未上場スタートアップへの投資は控えられる
- 金利上昇の問題、一旦調整したバリュエーションの水準を見ても、再度急回復して超高相場に戻る可能性は高くない
- 少なくとも、今年一年は現在の相場継続がベースシナリオ
新規上場、過小値付けは「独禁法違反」 公取委報告書: 日本経済新聞
【簡易要約】
- 公正取引委員会は新規株式公開(IPO)時に、公開価格を一方的に実態よりも低く設定し、資金調達を妨げるのは独占禁止法違反のおそれがあるとの見解
- 日本は米欧に比べて企業価値が適正に評価されていないとの指摘
- 公開価格から初値の値上がり幅の平均は英国で15.8%、米国で17.2%だが、日本は44.8%だ。日本では初値が公開価格の1.5倍近い
- また、上場業務を引き受ける手数料を証券会社間であらかじめ調整するのも独禁法上の「不当な取引制限」の可能性
- ほかの証券会社が主幹事業務を引き受けるのを妨害するのも、同法の「取引妨害」の可能性
- 公取委はこれらの考え方を示し、証券会社に自主的な改善を促す
壊れてしまったマザーズ 「過小値付け」に投資家が反乱: 日本経済新聞
【簡易要約】
IPO値付け問題への反発
- 「(IPOの)過小な値付け」を問題視する政府の指摘に、海外投資家らが強く反発
- 日本のIPOから資金を引き揚げ、その影響で上場延期する新興企業が相次ぐ
- この事象を「角を矯めて牛を殺す」という
戻らぬマザーズ市場の株価
- 米金融引き締め懸念でナスダック総合指数は下落するも反発
- 日本は「IPO値付け問題」で投資家心理を強く冷え込ませたまま
- ある香港の大手ヘッジファンドは、日本のIPOへの参加を当面見送ると決断
初値が高すぎる問題
- 投資家間では、企業価値に対して公開価格が低いのではなく、初値が高すぎるとの見方がコンセンサス
- 日本の初値上昇率は平均48.8%、ドイツ(21.8%)や米国(17.2%)など欧米に比べ突出してる
- 日本の問題は、マザーズの小型案件の初値が跳ね上がるところにある
初値が跳ね上がる理由
- 小型IPOは株の供給が限られる
- 個人投資家が殺到し、初値が跳ね上がってしまいがち
- しかし、一時的な需給で跳ね上がった株価は、長続きしない
上場ゴールを減らすには?
- 実際、2010年以降のIPO銘柄の多くが、現在株価が初値ばかりか公開価格も下回る
- 日本のIPOはその大半が「上場ゴール」状態
- 初値だけをみて、「公開価格を高く設定」の指摘は見当外れ
- 上場ゴールを減らすには、東証が、「上場から一定期間経っても成長しない新興企業の退出ルールを厳しくする」ことが不可欠
- また、成長しない新興企業は買収されやすくするのも一手
最後に
- 機関投資家は、投資リスクに見合わない市場から黙っていなくなるだけ
住信SBI、国内初のネット銀行上場へ 3月にも: 日本経済新聞
【簡易要約】
- 住信SBIネット銀行が3月に東京証券取引所に新規株式公開(IPO)する見通し(上場予定日は3月24日)
- インターネット銀行のIPOは初
- 上場時の時価総額は3000億円規模
- 銀行以外に銀行インフラを提供する「ネオバンク」事業への投資を加速
- 「ネオバンク」と呼ぶBaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)事業
- 預金や融資などの金融サービスをAPIを介して事業会社などに提供する仕組み
- 住信SBIの株価推移次第では、ネット銀の上場が加速する可能性
楽天G三木谷社長、銀行のIPO準備順調-タイミングは年後半か年末 - Bloomberg
【簡易要約】
- 楽天銀行の新規株式公開(IPO)の準備は、22年後半か年末近くの見通し
- 海外ではブラジルのデジタル銀行ヌーバンクや韓国のインターネット専業カカオバンクなどが、すごいバリエ―ションでIPOを実施
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本日、ボリューム多めのため、こちらは短めにいたします。
住信SBIネット銀行や楽天銀行のIPOの話題と、直近で生じた「IPO値付け問題」、またマザーズの下落が回復しない状況についての記事になります。
マザーズ(4月からはグロース)市場は、今年は鳴かず飛ばずの状況が続くとの見込みです。
また、IPO初値高騰の原因は、小型株への個人投資家への殺到ですが、3000億円規模のSBIのIPOでは問題とならなさそうです。(住信SBIネット銀行は東証1部への上場です)
上記を考慮すると、SBIのIPOは物珍しさがあれど、非常に堅実なスタートをきれそうです。
ただし、ソワソワした展開が続いてるのと、9月までに米国株が一回急落してもおかしくない状況のため、タイミング的には難しい状況です。
また、SBI銀行をベンチマークに楽天銀行の人気も決まってきそうです。
年末で米国中間選挙の結果が市場に好感され、インフレ解消の目途がついてれば、人気になることが予想されます。
その意味では、優良株と思えるSBIのIPOに、どのタイミングで参加するか。
個別銘柄の投資家として気になるのではないでしょうか?
ちなみに、信用ロボアドでも金融系の銘柄を扱っており、成績は良かったり悪かったりしていますが、割と調子は良さそうです。
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