世界の貧富格差、その現状・特徴と経済成長との関係 |ニッセイ基礎研究所
【簡易要約】(リンク先には、細かいデータ図表あり)
- 世界不平等研究所が発表した「世界不平等レポート2022」によると、世界トップ10%の裕福な家庭が所有する富は全体の75.6%
- ボトム50%の貧しい家庭が所有する富は全体の2%
- 日本における貧富格差は米国や中国よりも小さく韓国と同水準
- 貧富格差は、所得格差と正比例の関係
- 所得水準が向上するとともに縮小する傾向
- ただし、米国のように所得水準が高くても貧富格差が大きいままの国もある(貧富格差に関するスタンスは国によって大きく異なる)
- 腐敗汚職の蔓延も貧富格差を生む原因
- 経済成長を高める上では、貧富格差が大き過ぎても小さ過ぎてもマイナス(中間に最適解)
- 貧富の格差が小さ過ぎれば人々は努力を惜しみ、貧富の格差が大き過ぎれば不公平感が社会の分断を招く
- 経済成長の極大化が必ずしも国民の総幸福を高めるとは限らない
- 分配と成長のバランスを考える上では興味深い事実
【簡易要約】
- 習近平政権が「共同富裕」を急ぐ背景は、「内巻」や「横たわり」に象徴される国民の所得格差に対する負の感情
- 「内巻」=皆が努力してるため、努力の価値が見合わなくなること
- 「横たわり」=物欲が乏しく、競争、勤労、結婚、出産に消極的な生活スタイル
- 中国は競争による優勝劣敗を受け入れにくい社会へと変容した
- 理由は、若者の就職難や「996」と称される長時間労働の常態化(朝9時~夜9時、週6日働く)
- また、住宅価格の高騰は、未婚率の上昇や少子化を加速する遠因とされてる
- 共同富裕は経済成長にマイナスと考えられてるが、上記の理由から覚悟の上で、進めようとしてる
所得格差の寛容度(90年代前半⇒2010年代後半)
中国:↓ 不寛容
日本:→ 横ばい(やや不寛容)
韓国:↑ 寛容
競争への寛容度(90年代前半⇒2010年代後半)
中国:↓ 不寛容
日本:→ 横ばい(不寛容をキープ)
韓国:↓ 不寛容(中国よりも急激)
アジア住宅所得倍率(21年6月)
8位フィリピン:30.2倍
9位中国:27.9倍
12位韓国26.1倍
平均:11.8倍
58位日本:11.6倍
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中国の共同富裕が気になって仕方がない昨今、ニッセイ基礎研究所より気になる記事を見つけました。
貧富格差と経済成長の関係性と、中国の共同富裕についての考察記事です。
中国では、努力の価値が見合わないと感じたり、メリトクラシー(能力主義)で良い仕事に就けない人が増えてるとのこと。
その原因もあり、所得も増えず住宅購入できないことから、消極的なライフスタイルを選ばざるを得ない若者が不信感を募らせてるようです。
世界的には、「ミニマルな暮らし」が流行ってますが、自分の意志で行うのと、それしか選択できない状況では、似たような生活を送ってても意味合いは異なります。
中国のこの状況は、日本でも起こっていると感じます。
無気力というか、働くことへの消極的な現象です。
リンク先にある「所得と貧富の格差表」を見た感じだと、所得格差が大きいほど貧富格差が大きくなってるように見て取れ、因果関係も正しいように感じます。
さらに、米国では所得水準は高いけれども、所得格差が高いため、結局、貧富格差が是正されないまま格差社会になってるのではないでしょうか?
逆に欧州やオーストラリア、カナダは上手いこと所得格差も貧富格差も抑えられていますが、ニュースなどを見る限り、若者の失業の問題が無い訳ではなさそうです。
ただし、世界的にはマシなほうと言えます。
この辺の若者の失業の問題は、「内巻」や「横たわり」に象徴される概念に集約されてるように思います。
先に挙げた、「努力の価値が見合わない」と、「メリトクラシー(能力主義)で良い仕事に就けない」問題です。
資本主義を成立させるなら、競争は平等でなければなりませんが、そもそも生まれ持った能力も異なるため、帳尻合わせの再分配は必要に感じられます。
また、「帳尻合わせのお金をもらって生かされてる」と感じられる状態が、心身にとって健康であるとは言い難いです。
そのためには、世界レベルの競争には勝てなくとも、自分の身の回りにいる人たちよりも自分が得意なことで、周囲の人間と関係を気づいて経済活動を行う道は必要です。
そんな事を考えさせられました。
また、過去に書いた「個人の生き残り戦略」についても、依然、有効であると考えていて、成長する意欲と姿勢が人々の心を魅了する=感動させるはずです。
それが世界レベルのクオリティではなくとも、自分の身近にいる顧客の心に届くサービスになるのではないでしょうか。
ちなみに、寛容度については、所得では韓国が寛容度が上がり、経済成長も順調です。
競争では、日中韓とも不寛容になってます。
韓国は、人口や高齢化についても、生産性向上などでマイナス分をまかなえるような素地ができているようで、近隣諸国の中では力強い状況です。
このままアメリカ化するのか、それともベーシック・インカムも検討していて、中国などの状況を見据えて先手先手で上手く、所得格差と貧富格差をコントロールしていくのかが見どころです。
国がコンパクトなだけに、中国のような大国の体力はなくとも、機動力を活かして立ち回れそうです。
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