「金利」「量」「質」で考えるドル円 | 藤代 宏一 | 第一生命経済研究所
【簡易要約】
USD/JPYの方向感は「金利」「量」「質」の3つで考えられる
- 「金利」は日米金利差
- 「量」は日米のおカネ、すなわちマネーストックや日米マネタリーベース比率
- 「質」は日米のインフレ率格差、つまり購買力平価
現状は「金利」が円安方向、「量」と「質」は円高方向
「金利」
- おカネは金利の低い通貨から高い通貨へ移動する
- 今後も拡大が予想され円安を促していく可能性が高い
「量」
- おカネの量が少ない通貨が買われる
- マネーストックの増加率は米国が圧倒
- パンデミック前との比較では米国が40%程度、日本は10%程度
「質」
- 購買力平価は、高インフレに直面する米国が劣勢
- 消費者物価は米国が前年比7%程度、日本が1%程度
まとめ
- USD/JPYは113を中心としたレンジへ回帰するとの予想を維持
- 短期的には米長期金利の上昇を背景に円安が進む可能性
日銀、3カ月半ぶりにETF買い入れ-701億円、前回と同じ規模 - Bloomberg
【簡易要約】
- 日本銀行は14日に上場投資信託(ETF)を701億円買い入れた
- TOPIXの午前終値は前日比2.02%安
- 前回買い入れたのは昨年10月1日の午前終値は2.03%安だった
- TOPIXの午前下落率2%を購入の目安
- 日銀がETF購入は、株式市場にとって安心材料
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日米の比較で考えますと、いま日米で話題のインフレについても、その重症度が大きく異なることがわかります。
もっとバラまきを行い個人や法人を救ったほうが良かったのではないか、など政治的な別の議論もありますが、経済の面ではお金の刷り過ぎによる過剰なインフレを避けられて(現時点では)良かったです。
金利は、(お金のバラマキ具合が激しい)米国のほうが当然、どんどん上がるでしょうから、これも理解しやすいです。
さらに、購買力平価はインフレの影響を多大に受けることから、金利と量によって質が決まるようで、結果、円安はそこまで侵攻しないという結論でした。
経済は循環しているので切り替わりは必然としても、お金がゆるゆると刷られ株価上昇してる状況が、トレンドフォローするには一番良い状況ということがよく分かります。
逆に、いまはそれが期待できない状況です。
連日、難しい相場が繰り広げられてます。
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また、日本市場では、日銀の買い付けが確認されました。
この不安定で不透明な相場環境で、多くの投資家にとって、買い付けは大きな安心材料になったのではないでしょうか。
抜けつつある海外マネーが、また日本を目指す展開も十分に考えられます。
ただし、あれこれ考えたところで、かなり難しい相場環境であることに変わりはありません。
信用ロボアド、よろしくお願いします。