株式インデックス投資、何が良いか-先進国株、新興国株、米国株と日本株、どれを選ぶ? |ニッセイ基礎研究所
【簡易要約】
- 長期的な資産形成手段として株式インデックス投資がお勧め
- 日本における代表的な4つの金融・経済危機(日本バブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマン・ショック、コロナ・ショック)に投資した場合、売らずに我慢(長期保有)すれば損はしにくい
- 株価の短期的な値動きに一喜一憂し、試行錯誤を重ねて短期売買するよりも堅実
- 株式インデックスは、先進国株(MSCIコクサイ)など収益力、成長力が期待できるインデックスが良い
- 記事内では代表的な株式インデックスが、4つの金融危機でどのような値動きをしたのかがトータルリターンインデックス(RI、Total Return Index=分配金の再投資)で解説されている
- 紹介されたインデックス:TOPIX、日経平均株価、S&P500種、NYダウ工業株30種(ダウ平均)、ナスダック100、MSCIコクサイ、MSCI World、MSCIエマージング・マーケッツ、MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)
・日本バブル崩壊直前からITバブル崩壊直前まで(1990年初~2000年2月末)
TOP3は、ナスダック100、S&P500種、ダウ平均
LAST3は、日経平均、TOPIX、MSCI ACWI
・ITバブル崩壊直前からリーマン・ショック直前まで(2000年2月末~2007年10月末)
TOP3は、MSCI EM、ダウ平均、MSCI ACWI
LAST3は、TOPIX、日経平均、ナスダック100
・リーマン・ショック直前からコロナ・ショック直前まで(2007年10月末~2019年12月末)
TOP3は、ナスダック100、ダウ平均、S&P500種
LAST3は、MSCI ACWI、TOPIX、MSCI EM
・コロナ・ショック直前から現在まで(2019年12月末~2021年9月末)
TOP3は、ナスダック100、S&P500種、MSCIコクサイ
LAST3は、ダウ平均、TOPIX、MSCI EM
株式の現在価値
株式の現在価値=利益/(株主要求利回り-期待成長率)
利益が増加するか、投資家の成長期待(期待成長率)が高くなるか、株主要求利回りが低くなるかによって、株式の現在価値が高くなる。
まとめ
- 日本企業の稼ぐ力が相対的に劣後している(日本企業のROEは6~8%、米国企業のROEはほぼ10%半ば)
- 米国企業の予想PERが長期に渡って高い
- 将来10年くらいは、米国企業が優位であり続ける
- 家計の金融資産構成について日米を比較
- 現預金(日:54.3%、米:13.3%)※日本の預貯金額は総額1,000兆円超
- 投信・株式(日:14.3%、米:51.0%)の比率がまさに正反対
- リスク回避傾向が非常に強い
- 低金利環境が続いている中、預貯金以外の資産形成手段として、株式インデックス投資が非常に有効であることを多くの人に知ってもらいたい
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とても骨太なレポートでした。
まとめの最後にある「株式インデックス投資が非常に有効であることを多くの人に知ってもらいたい」は、共感する点でした。
実利目線でおさらいすると、利益追求するならナスダック100。
ただし、ITバブルのようなときは値下がりも激しい為、下落のショックを和らげるのであれば、S&P500種、MSCIコクサイを組み合わせると良いです。
※MSCIコクサイは、TOP3だとランクインは1度ですが常に4位の位置にあります。
逆に、日経平均、TOPIX、MSCI ACWIはあまり手を出さない方が良さそうです。
日本については「失われた30年」が示す通り、成長率・利益率がそもそも低いので、世界的にみたら投資するに値しないということでしょう。
また、MSCI ACWIについても、幅広く分散した結果、米国が牽引した成長利益が薄まってしまい、日本や他国のマイナス分が足を引っ張った結果でしょうか。
平均的な意見を採用するとパットしないことが多いですが、それに近い感じです。
資産形成を試みるなら、まずは稼ぐ力が大切ですが、それと同時にインデックス投資により増幅させないと、飛車角落ちで将棋を指すようなものです。
総額1,000兆円のうち、10数%でも投資に回ればインパクトはあるのですが、老後を迎えて減らしたくない投資未経験者の方たちからすると、今さら投資って感覚なのかもしれません。
株価暴落、急落時に威力を発揮する信用ロボアドですが、そういった高齢者たちが資産を減らす一方ではなく、減らさないための資産増幅装置として活用してもらうのも有りですね。
コロナ禍での値動きなど、デモトレードで過去実績は確認いただけます。
気になる点がありましたら、ぜひお問い合わせフォームよりご連絡お待ちしております。