「日本の賃金は米国の6割」韓国にも抜かれた日本の凋落 | 野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る | ダイヤモンド・オンライン
【簡易要約】
- 日本のビッグマック価格はアメリカの6割でしかない
- つまり、日本人の賃金がアメリカの6割程度を意味する
- 日本390円、アメリカ621円、ユーロ圏552円
ビッグマック指数とは?
- ビッグマックは世界中でほぼ同一品質=どの国でも同じ価格になるはず
- それを実現する為替レートのことを「ビッグマック指数(1)」と呼ぶ390÷5.65(米ビッグマック価格)=69.0
- つまり、1ドル=69円が「ビッグマック指数(1)」為替レート
- 実際の為替レートとの比率を計算を「ビッグマック指数(2)」と呼ぶ69.0÷110(日本円為替レート)=0.628
ビッグマック指数の見方
- 「ビッグマック指数(1)」は、購買力平価と同じような概念
- 「ビッグマック指数(2)」は、1より低いと平均賃金がアメリカより低いことを意味する
ビッグマック指数の実際
- 世界各国を並べてみると、日本は31位、アメリカは5位
- 1980年代には1を上回っていて、2010年でも0.96
- 現状(0.628)は著しい凋落
なぜこうなった?
- 本来なら、日本製品はアメリカからすると割安だから、輸出が増えたはず
- つまり、円の需要が増え、円高になったはず
- しかし現実には、円高を阻止し円安を望むメカニズムが存在した
円安を望むメカニズム?
- 円安(ドル関係の日本の労働力が安くなる)=利益が増え、株価が上がる
- 円高になれば、逆で「国難」と言われる
- 本来は、円高による利益減少を技術革新による生産性向上で対処
- しかし、手軽に利益を上げられる「円安」の手段に依存した
直近の経緯
- アベノミクスでも円安(金融緩和)は実現したが、生産性向上(第3の矢)は実現しなかった
- 「デジタル化の遅れ」とは、このこと
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私自身の生産性に対する見方が深まりましたので紹介します。
円安誘導により安易な利益創出で短期的に利益を上げることで、長期的に日本の国益を損なったのではないか?
というお話です。
日本の低成長について、国(政治)に?、企業に?、問題があるのか責任の所在は分かりませんが、個人レベルでできることと言えば、生産性を高めるべくスキルアップすることしかありません。
つまり、福澤諭吉氏の思想である「一身独立して一国独立す」です。
一人ひとりの生産性向上が、国全体の生産性向上に貢献します。
規制やしがらみがそれを阻むことは想像に難くありませんが、正攻法で打開するなら個人の行動以外にあり得ません。(そういう意味では国外脱出の方法もありますが)
他にも良い方法がありましたら、ご意見ください。