米SECがロビンフッド調査、注文処理の開示巡り 米報道
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63372550T00C20A9000000/
2020/9/3 6:29 日本経済新聞
2013年創設のロビンフッドは顧客の注文をHFTに回して受け取るリベートを主な収入源としている。だが、そのことを18年まで開示していなかった。同社はリベートを原資に売買手数料を無料としており、若年層を中心に個人投資家の取引が急増している。今年3月以降の上昇相場では同社を通じた売買がけん引役のひとつになったとされ、米株市場では「ロビンフッド現象」として注目が高まっている。
ロビンフッドは顧客が最良価格で取引できるような措置を導入していないとして、19年にFINRAに125万ドルの罰金を支払った。
シストレをやるなら、ロビンフッドは絶対に使わないですね。手数料無料でも、金利が無料でも、絶対に使わない。なぜなら、プライシングが業者の言い値だから、成行注文を出すと業者の裁量で値をつけられてしまう。指値注文でも、指値の範囲で業者の裁量で値をつけられてしまう。極端な話、9時に東証始値が100円であっても、同時刻に101円と99円が同時に成立し得る、というのがロビンフッドの仕組みです。一物多価が許容されているんですね。ロビンフッドや彼らのバックにいるHFT業者など店頭取引でプライスを提供している業者は、東証で100円がついているときに、101円で売って、99円で買って、2円抜きました、ということを生業にしていますので、手数料も金利もとらなくなくても食べていけるんです。
これと正反対のプライシングが一物一価が徹底されている東証・大証の「板寄せ」です。
平成7年に大証に入所して約10年働き、板寄せについてみっちり教えてもらいした。あのときは、まだ大証には仲立ち証券という業者がいて、手商いがされていました。
午前8時ごろから証券会社の場立ちさん1が、大証の広い「市場館」の大ホールの周りの階段状の各証券さんの席に陣取って、ホールの真ん中に仲立ち証券が陣取って、その周りをまた証券会社の場立ちさん2が陣取って、証券会社から注文が場立ち1に入電すると、場立ち1が場立ち2に手振りで銘柄と注文を伝達、場立ち2がそれを受けて、仲立ち証券に注文を伝達、仲立ち証券は「板」に乗せられた紙に、その注文を書き込む。午前9時になったら、そんな風に集められた売り注文と買い注文の需給が一致する一つの値段を仲立ち証券の社員さんが職人技(といっても、東証・大証の業務規程で細かく定義された計算式に基づいて)で計算・導き出して、その一つの値段ですべての注文を約定させるわけです。
大証の社員は、仲立ち証券の後ろに立って監理監督する、という役割でした。
この需給を一つの値段で約定させる「板寄せ」システムは素晴らしいのです。
公平・公正で何もごまかしがきかない、証券会社・仲立ち証券・取引所がトレーディングで儲ける余地のない、正真正銘の需給均衡価格なんです。
今はシステム化されましたが、東証・大証の始値と終値は板寄せで価格が決まります。
この投資家にとってとても公平・公正な仕組みはずっと堅持していてほしいと心から願っています。
弊社のシステムトレードでは、この値段だけが約定対象です。
理由は、
・スプレッドコストがゼロ
・競い売買であること(相対売買ではないということ)
これに尽きます。
野村證券時代は、店頭FXの対顧客相対取引のプライシングおよびヘッジトレードを担当しましたので、どうやって業者が儲けるのか、仕組みを勉強することができました。店頭FXの運営業者は板寄せなんか絶対やりませんよ。業者が儲かりませんから。
ただし、店頭FXは、使いようによっては、取引参加者に優しいです。平時のスプレッドがドル円0.3銭(1ドル100円として、0.03%)とかとても狭いので、スキャルピングとか超短期売買をしなければ、すごく使える仕組みだと思いますので申し添えます。
ダウ逆張りトレードのように、1取引あたりの期待収益率が0.14%とかで勝負しないならば、1取引あたり0.6%くらい目標でやれば、0.03%って十分に使える仕組みだなと思います。それでも20回トレードしたら0.6%、200回トレードしたら6%業者にもっていかれますので、そのつもりでトレードすることが必要ですね。また、月曜の朝とか、指標発表時はスプレッドがガバっと広がりますから、そこでロスカットにかからないように注意することが必要です。
不謹慎ですが、野村で店頭FX担当していたとき、一番儲かったのは、2011年3月14日の朝でした。
銀行マーケットで売り値と買い値のスプレッドがすごく広がっていて、銀行マーケットのスプレッドに若干上乗せをして対お客様向けに提示するので、お客様向けスプレッドもすごく広がって、そこでお客様の評価損益が瞬時に悪化(評価損益率は広がったスプレッドで計算します)してロスカットが大量に発生して、ロスカット注文に対して広がったスプレッドで安く買って高く売る、ということが大量に自動的に発生した結果です。
これは極端な事例ですが、同じようなことが海外マーケットのオープン時や各種指標発表時に起こりますので、餌食にならないようにレバは控えめが一番だと思いますよ。