シストレに限らず、株式の短期売買に取り組むなら、自分のやろうとしていることの期待リターンをまず把握しておくことはいいことだと思います。
目安としては、株式を1日保有した場合の期待リターンはいかほどかを把握しておくといいと思います。
リターン(当日終値÷前日終値-1)の過去の平均値を求めればよいでしょう。
調査対象銘柄は、現時点で東証が発表している、コア30、ラージ70、ミッド400の合計500銘柄。
調査対象期間は、過去20年。
データ数は合計2,249,962個になりました。
結果は、以下でした。
平均 | 0.04% |
標準偏差 | 2.38% |
データ数 | シェア | |
プラスリターン | 1,073,739 | 47.7% |
マイナスリターン | 1,076,366 | 47.8% |
ゼロ | 99,857 | 4.4% |
合計 | 2,249,962 | 100.0% |
100万円でのランダムトレード(コイントスで売りか買いかを決める)した場合の期待リターンは、
100万円×0.04%=400円
だといえるでしょう。
勝つ確率は47.7%
負ける確率は47.8%
あいこの確率は4.4%
前日大引けから当日大引けにランダムにトレードした場合は、
勝率はほぼ五分五分、
100万円での1取引あたりの期待リターンは400円、
だと思えばいい。
※取引コスト控除前です!
なお、これは、当日の大引けの板寄せ一本値と前日の大引けの板寄せ一本値との比較ですから、ザラ場でデイトレをやる場合の期待リターンだったら、これからスプレッドコストを控除しなければいけない。
スプレッドコストは、呼び値の単位から計算できます。
以下は引け後の板をいまコピーしたので6959円に注文がないですが、ザラ場中でしたらみっちり注文がつまっていますので、買うなら6970円、売るなら6969円、デイトレのスプレッドコストは1円÷6969円=0.01%(100万円あたり1往復で100円)です。
さっきの400円からさらに100円を引いて、300円。
これから、自分の手数料プランに応じて取引コストがかかってきます。まあこれで大方期待リターンはマイナスに転落ですね。
ランダムにトレードすれば、自分の確実に資産は減っていく、と肝に銘じてトレードすべきだということでしょう。
みんな、自分のトレードがランダムだ、とは思っていないんだと思いますが、、、
デイトレの実態は、これよりさらに悪いと思います。人間の本能は、さらにこの期待リターンを下げる方向に作用するようです。
で、リターンの分布を青い棒グラフにするとこうなります。
横軸がリターン、縦軸がデータ数です。
真ん中のとがった部分はリターンがゼロだった場合の個数。
ちなみに、平均0.04%、標準偏差2.38%の正規分布はオレンジ色のグラフになります。
株式日次リターンの分布は、自然界の分布と比べると、真ん中が尖っていて、すそ野が広いという特徴があります。
縦軸の最大値を500にしたグラフにすると、株式リターンの分布のすそ野の広さがよくわかります。
株式市場は人間の作り物なので、自然界の分布とは異なるんですね。
私は、自分のバックテストの期待リターンと勝率をランダムトレードの場合と比較・確認して、ランダムではない→将来の価格変動が予測可能、と判断したうえでトレードをします。
※バックテストは将来の利益を保証するものではありません。