2020/9/28の約定分から、楽天証券の手数料無料プランの権利獲得が容易になりました。例えば、1日の信用新規建てが3000万円以上で3カ月手数料無料となります。
前場の寄り引け、後場の寄り引けでクロス振る作戦で、600万円も保証金があれば余裕で権利獲得が可能になりました。
私はこれまで、
当日寄りエントリー → 当日引けエグジット、のダウ逆張り戦略を1日信用(手数料無料)で継続してきました。目標リターンは15%です。
これと、
当日引けエントリー → 翌営業日寄りエグジット、の順張りオーバーナイト戦略を並存させれば、より資金効率を高めることができます。
寄り-引け (ダウ逆張り) ・・・目標リターン年15%
引け-寄り (順張りオーバーナイト) ・・・目標リターン年??%
仮に、引け-寄りで同じく15%を目標にトレードできる目途がたてば、同じ資金量で目標リターンを倍にすることができます。
私はレバ1倍でトレードします。信用取引はショートするために使っていますが、レバは掛けません。シストレを継続するためにはここは絶対に堅持する必要があって、この方針を守りつつ目標リターンを倍にすることができるので、私にとってはすごい可能性なんです。
では、引け-寄りの目標リターンはいかほどか。
まず肝心の取引コストは、手数料は無料、金利・貸し株料は必要、というこで概算できます。
毎日大引けで買い新規、翌営業日の寄りで決済、を1年間繰り返すと、年間コストはポジションの2.8%×2=5.6%
※金利は両端入れなので年率の二倍かかります。
毎日大引けで売り新規、翌営業日の寄りで決済、を1年間繰り返すと、年間コストはポジションの1.1%×2=2.2%
※貸し株料も両端入れなので年率の二倍かかります。
これから検討するオーバーナイト順張りだと、買い建てる日が全体の75%、売り建てる日が全体の25%程度を想定するので、以下の計算から年間コストはポジションの4.475%です。
5.6%×75%+2.2%×25%=4.475%
ですので、株価ベースで年率20%のバックテストができれば、コストを引いて目標リターン15%のオーバーナイト戦略が作れる、ということです。
では、東証が発表している、時価総額・流動性の高い上位100銘柄について順張りオーバーナイトの過去10年のバックテストをしてみると、結果は以下の通り。
どうも順張り戦略は、指数に対するハイベータの銘柄群に相性がよさそうです。とりわけ金融系ですね。
株価ベースで15%以上のリターンのものを選択して、コスト差し引いて、目標リターンは10%か。
食品・薬品のディフェンシブ・ローベータ系の銘柄は順張りが効かないということがよくわかりますね。
これはランダムではないと判断し、取り組む価値、あると思います。
キリンもランダムではないと思います。
順張りに対してマイナスリターンが継続するという。
なら逆張りすればいいですが、ちょっと期待リターンが足りないと思い、逆張りは断念します。
なお、これらの バックテストは、信用取引手数料が無料であることが全く一般的ではなかった時期の株価をテストしていることを十分認識する必要があります。
いまのように、信用取引の手数料を活用できる人がどんどん増えると、このランダムではないように見える株価変動(順張りしたら儲かる銘柄がありそうだ)を収益化しようとトライする人が増えるでしょう。だから、この部分の収益は今後どんどん薄まって、最終的にはなくなってしまう可能性についても検討せねばなりません。
で、将来、どうなるか、ですが、私は、このランダムでない価格変動は放置され続けると思います。
理由は、以下です。
・プロはやらない。機械学習とかAIのご時世に、クオンツの部隊のメンバーが、会社の自己資金で順張りのシストレやらせてください、と上司に提案しますか?
・一般投資家はできない。同じことの繰り返し、面白くない。1取引あたりの収益性が低いのでかける労力が見合わない。レバレッジをかけてしまって途中で退場。などなど。
このはざまで私は継続します。
※バックテストは将来の利益を保証するものではありません。
※バックテストは、手数料、税金を考慮しておりません。