インフレ懸念相場で投資家はどうすべき?「株価の方程式」で山崎元が解説 | 山崎元のマルチスコープ | ダイヤモンド・オンライン
【簡易要約】
- インフレと株価、株式投資との関係を「方程式」で整理
- 株価は、将来の利益の割引現在価値の合計
- 1株当たりの利益をE、割引率をr、利益の成長率をg
- rとgは将来の時点に関係なく一定で理論株価はP
- その場合、P=E/(r−g)が成り立つ
- 1株当たり利益が1000円(E=1000)で割引率が8%(r=0.08)、利益成長率が3%(r=0.03)なら、理論株価は2万円
- rは、インフレ率+実質金利(債権利回り)+リスクプレミアム
- gは、インフレ率+実質成長率=名目成長率
- 株価の変動は、成長率、実質金利、リスクプレミアムの3要素で説明できる
- 実質金利の上昇が、実質成長率の上昇より大きいと考えられたとき、理論株価は下落する
- 典型的には、高インフレ率→中央銀行(米国なら米連邦準備制度理事会〈FRB〉)による金融政策の引き締め→実質金利が上昇→理論株価の下落
インフレ率の目標が「年率2%」の場合
- インフレ率が0%から1%へと1ポイント上昇は、名目成長率の引き上げ要因
金利上昇(=実質金利上昇)<成長率上昇(=実質成長率上昇)と考えられ、理論株価は上昇 - 3%のインフレ率が4%への上昇は、「金利の上昇>成長率の上昇」と考えられ、理論株価は下がる
- 「高い水準での期待インフレ率の上昇」は株価にとって下落要員
- インフレ懸念相場でも、インフレの変化分はリターン(収益率)に織り込まれる=インフレ対策にもなる
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目標インフレ率は現実的にも2%になってるのでそのまま考えられますね。
2%よりも下の状況でのインフレ上昇(ならびに長期金利上昇)はポジティブ、2%を超えた状態でのインフレ上昇はネガティブに受け取られるとのこと。
米国のインフレ率は、既に2%よりも高いところにあるため、しばらくは、この問題に直面することはありませんが、景気は循環して同じ局面は数年後か数十年後には訪れると考えられるため、覚えておきたいです。
実際、記事が書かれたのは今年5月で約半年前ですが、過去の振り返りは実際に経験してると理解が早いです。
ところで、高いインフレ率の状態で、スタグフレーションのリスクなども再燃しそうな昨今、今までのような成長株への投資ではうまくいきません。
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