岸田さんの「新しい日本型資本主義」って何? | アゴラ 言論プラットフォーム
【簡易要約】
Q1. 新自由主義とは?
もとは「小さな政府」をめざす政策。
日本では小泉政権で竹中平蔵さんのやった改革、岸田さんは安倍・菅政権が新自由主義だったと思ってる。
安倍政権も、最初は規制改革を打ち出したが、後半は分配政策になった。
Q2. 新自由主義の転換とは?
新自由主義=格差拡大。
転換とは、金持ちから税金をとって貧乏人に分配する分配政策による格差を是正。
お金持ちの利子や配当の税率が20%を上げることを「成長と分配の好循環」と表現。
Q3. 好循環とは?
貧しい人は、分配されたお金を使うので消費支出が増え、経済が成長。さらに分配が増えるサイクルを指す。安倍政権では上手くいかなかった。
理由は、日本経済が成長しなかったから。(母数が多くならないとジリ貧になるだけ)
Q4. 「株主資本主義を見直す」とは?
「ステークホルダー資本主義」を目指してるはず。
労働者や消費者や地元住民など人間を大事にする人本主義。
実際は、大企業に定年までつとめる正社員を大事にするしくみで、非正社員には冷たい。
Q5. 日本の雇用は安定?
日本の完全失業率2.8%は世界的にも低いが、4割が非正社員だから。(いつでも「雇い止め」できる)
Q6. なぜ賃金が下がる?
正社員の需要が減ってるのに、雇用を守るために労働組合が賃下げを認めてるから。(格差の最大の原因)
非正社員の賃金は上がってるが、もとが低いので全体には下がってる。
Q7.企業の株価は上がってるのに?
グローバルな大企業の業績は好調。(利益のほとんどは海外法人)
昔は経常収支の黒字が貿易収支(輸出代金)によるものだったが、現在は所得収支(海外法人の利益)。
所得収支の黒字はGNP(国民総生産)には入るが、GDP(国内総生産)には入らない。
2010年代に、企業収益が上がるのに賃金が下がり、格差が拡大した原因。
Q8.格差は分配政策で改善する?
しない。
根本的な原因は、日本の人口が減って市場が小さくなる一方、アジア市場が大きくなり、賃金もアジアのほうが安いから。
20年以上先まで日本国内の賃金は下がり続ける。
Q9.格差是正には?
グローバル化は国内では格差の拡大。
世界的にはアジアの貧しい労働者の賃金が上がること。
グローバル化を止める方法は保護貿易。
Q10.財政出動で格差は埋まる?
埋まらない。
一時しのぎの需要の先食いで、構造問題の解決にはならない。
また、分配政策で結果の平等を求めても、企業が日本から逃げて日本経済が縮むだけ。
むしろ企業のグローバル化で収益を上げ、それを税金で還元して再分配するのが合理的。(最低保障年金など)
日銀、ETFを701億円買い入れ 株安受け3カ月ぶり: 日本経済新聞
【簡易要約】
- 9月29日、日銀、ETFを701億円買い入れ
- 東証株価指数(TOPIX)は前日から2.40%下落
- 購入額は前回と同額
- 午前中のTOPIX下落率が2%超えの場合に、日銀出動との見方
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岸田新首相の方針やキーワードがわかりやすく解説されています。
簡単にいいますと、日本国内の低成長は避けられないため、海外で稼ぎ、それを分配政策(格差是正)の原資にするのが一番合理的って話です。
日本国内も豊かですが、海外を相手にしたほうが伸び代はありそうとのこと。
個人でみても日本に居ながら海外を相手に稼げるポジションは良さそうです。(国内で日本人を相手に競争するのはレッドオーシャンか、清貧のどちらかを迫られる二極化と予想します)
「これからの日本の個人戦略について考える。」でもお伝えした語学(英語)・プログラミング・数学がキーワードでしょうか。
もしくは、一芸やマーケティングに自身があるなら、SNSを活用したビジネスも良いかもしれません。
岸田首相誕生で、株価的は悲観的な反応を示してますがどうなるでしょう。
政策実現と、国民の支持率と、投資家からのネガティブな反応と、何かを達成しようとすると、別の何かは犠牲にしなければならず、岸田首相は何を達成しようとしているのかが見ものです。
その前に、衆院選と小池氏の「ファーストの会」の動向も注目です。