野村資産形成研究センターは、中立的な立場で資産形成に関する調査・研究を行い、レポートや研究会、セミナーなどによる情報発信を通じて、人生100年時代における国民の資産形成という社会的課題の解決に貢献することを目指す。また、職場を通じた資産形成がこの社会的課題に対する有効な解決策のひとつであると考え、企業とともに従業員の資産形成や経済的自立を促すための方策を議論して いく。
「投資アドバイスの付加価値と対価のあり方を巡る議論」(PDF)
著者:神山 哲也
出典:『野村資本市場クォータリー』2019年秋号
公開日時2021年4月1日
【簡易要約】(レポートの「おわりに」の要約です。詳細は直接PDFまで)
対面の投資アドバイスの付加価値
定性分析:「アドバイザーの経験」、「安心感」
定量分析:「コーチング」や「税制面での支援」
それらに次ぐのが、「アセット・アロケーション」、「ファンド選定」、「リバランス」などの投資意思決定の支援。
付加価値のある投資アドバイスとは、「運用パフォーマンス」のみではなく、「安心感」や「コーチング」など、心理面も含めた目標達成への包括的な支援である。(市況悪化時の狼狽売りや、トレンド・フォローによる高値掴みを防止など)
その他
- 長寿化によって目先のパフォーマンスを最大化の重要性は相対的に低下。(顧客の長期的利益が大切)
- 伝統的な対面投資アドバイスでの「フィー・ベース」(契約資産額×報酬率)へのシフトは不可避。同時に、「フィー」が何の付加価値の対価なのかが問われる。
- 米国の投資アドバイスの付加価値を巡る議論は、一つのベンチマーク。
キーワード
- 行動コーチング:非合理的・感情的な意思決定を避けて長期的な投資計画に沿うよう助言を行う。契約に明記されていないが、投資ポートフォリオへの影響度は大きい。
- 税務関連の知識:ポートフォリオにおける税効率の最適化支援の代表格が、「アセット・ロケーション」。税効率が最適になるよう資産を配分を行なう。また、退職後の引出戦略(顧客の課税金額を減らし資産寿命を延伸する)も有効。
- 投資関連の知識:アセット・アロケーションや投資対象選定、リバランスといった直接的な事項。また、リスク・キャパシティ(人的資本と金融資本の和から導出されるリスクを引き受ける能力)も考慮したアセット・アロケーションの策定など。(ロボアドバイザーの得意分野)
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資産形成に関する調査研究を行なう研究センターを設立したとのニュース。
今後の活動に注目ですが、今回は、現在公開されているレポートの紹介です。
投資助言業を生業としているgescalgo(「信用ロボアド」)にとっても身の引き締まる思いのレポートでした。
アドバイザー側のお話ですが、営業職やコンサルタント、接客業など世の中の対面コミュニケーションを生業とするすべての職業でヒントが含まれている気がします。
大切なのは、安心感やコーチングなどの心理的な面も含めた支援とのこと。
アドバイザーの経験値が豊富で、自分の事情を把握してくれることも大事なようです。
コーチングは、あらゆる職業で活かせるスキルのひとつですね。
gescalgoは、対面方式ではありませんし、もちろんファイナンシャルアドバイザーでもありませんが、オンライン面談などを通じて、お客様が不安を解消し、安心感を持って資産形成できるよう取り組んでいます。
もし、これを読んで、「こんなことが、不安だ!」、「実は、ここが知りたい!」などのお気持ちを持っている方がいれば、コメントなりTwitterでお声がけください。
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